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提言 ビジネス(人事・組織)

更新日:2009年8月7日

名刺両面作戦
 私は、全国の仲間たちと、18年間、ボランティア活動を広めてきた。主婦や定年退職した人たちの参加には、目を見張るものがあるし、子どもや若者も、抵抗なくボランティアをしてくれるようになった。
 唯一、難攻不落なのが、働く人たち、特にサラリーマン層である。フォーラムを開いたり、ボランティア体験行事を催したり、社会貢献賞で会社や個人を表彰したり、会社の人事部から勧めてもらったり労働組合から働きかけたり、子どもを通じて誘い出したりなどなど、思いつきそうなことは大抵やった。やればやっただけの効果はある。だが、それだけである。広がらない。ワークライフバランスの運動も仕掛けてみたが、相変わらずワーク一本で、ライフがない。
 そこで、今回仕掛けようとするのは、名刺両面作戦である。
 日本のサラリーマンは、必ず名刺を出す。その裏に、自分が所属するNPOの名称を印刷してもらう運動である。NPOでなく、町内会でも趣味の会でもよい。
 それは、「自分は会社の仕事をしているだけでなくて、こんな社会活動もしている幅の広い人間ですよ」という自己紹介になる。相手の評価は深まるし、会話の糸口にもなる。
 また、会社の間接的社会貢献のPRにもなるし、NPOのPRにもなる。
 名刺に刷るためには、好きなNPOを選んで参加しなければならない。それがこの作戦の狙いである。それぞれ1つくらいは、NPOにかかわってほしい。ただ、参加といっても会員になって会費を払うだけでもよい。それも大切な社会参加活動である。
 そのようにして活動が広がれば、日本の社会は住みやすく活気のある社会になってくる。
 そして、この作戦には、お金も人手もかからない。あなたやあなたの会社が、始めてくれさえすれば、広がっていくのである。早速、やってみませんか。
(京都新聞コラム「暖流」2009年7月26日掲載)
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2008年4月17日 相手の立場に立ってこそ
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