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提言 生き方・その他
更新日:2006年12月27日

どれほど自分と人とを幸せにしたか

成功の判断基準とは
  本人次第だが

  自分の人生で何が成功であり、何が失敗であったかは、自分の人生のことだから自分で決めればよい。
  傍から見ればひどい人生を送ったように思える人であっても、ご本人は、人生を閉じる時、「自分の人生はいい人生だった」と満足の笑みを浮かべて往くかも知れない。それはそれでよい。“善人なほもて往生す、いわんや悪人をや”である。
  ただ、ほとんどすべての人が納得し、本人も胸に落ちる、人間としての成功の基準はあると思う。
  それは、「本人がその能力を懸命に発揮し、人を幸せにしたかどうか」というものではなかろうか。さらに単純化すれば、自分のため、人のために懸命に生きた程度といってもよい。
  結果の大小は、問わない。本人が自分に満足できればよい。
  本人が心から満足できるほどであれば、第三者も、「あいつはよく頑張ったなぁ」と、賞賛するであろう。よく生きるとは、そういうことである。
 
地位や富の獲得は
  世俗的な成功でしかない

  世間の一般的基準では、地位や富の入手が成功の証とされる。
  では、位の高い勲章を貰った人ほど、幸せか。人を幸せにしているか。人々から感謝されているか。
  長者番付が上の人ほど、そうなのか。
  私自身は、さしたる地位も富も得ていないから、威張って言うことはできないが、高い地位を得た人やお金持ちの人をそこそこに知っているので、その知識を総合して言えば、地位が高いことや多くの富を保有していることは、本人や他人の幸せには直結しない。
  地位は高くても、本人がその地位に満足せず、もっと高い地位を望んで不平たらたらな人、あるいは、周りの人から「あんな奴があんな高い地位を得るなんて」とか、「あの地位でやるべきことを何もせず、えらそうにして」などと言われて軽蔑されている人は少なくない。お金持ちだが、「どけち」とか「汚いやり方で金を集めて、ろくなことに使っていない」などと罵られている人、そして本人も、「こいつは俺の金を狙っているのではないか」と誰に対しても猜疑心いっぱいで、誰にも心を開くことができなかったり、「いつ金が減るか」と不安で有効にお金を使えなかったり、「俺がこれだけ金持ちなのに、俺に対する尊敬が足りない」などと不満を募らせている人など、どう見ても一般の人より不幸な人がけっこう多いのである。
  学歴も同じである。子どもたちは、かわいそうに学歴競争に駆り立てられているが、私の人事経験では、学歴に依存している人ほどその能力は低いという原則がある。
 
人を幸せにする
  能力、機会に格差はない

  結局、地位も富も学歴も、しょせん形式なのである。色即是空の「色」だと言ってもよい。
  実質は、それによってどれだけ自分と人とを幸せにしたかである。
  人を幸せにし、社会に役立つために努力を重ねて自分の能力を伸ばす。その挑戦の過程で、学歴、地位、富などを入手する。それらは力を生む。学歴を得る過程で身に付けた知識や説得力、高い地位に就いたことによって得られる権限や組織力、富が発揮する資本力などである。それらの力を使って、実質的な目的である人の幸せを実現する。そして、自ら挑戦し、目的を成就した達成感、満足感を味わう。
  これが人間として得られる至福の自己肯定感であり、最高の成功であろう。
  逆に、学歴や地位に傲慢になって人を不快にしたり、富をギャンブルに浪費したり、金の力で人のプライドを傷付けるような屈辱的な行為をさせたりしたのでは、その人生は明らかな失敗というほかない。そのことに気付かず、自己満足に陥っている人は、その人の勝手とはいえ、人としてただ哀れなだけである。
  そして、有り難いことに、先に述べたような達成感や満足感は、学歴や地位や富などなくても、誰にでも得られるものである。巨額を寄付することによってビル・ゲイツやウォーレン・バフェットが獲得する至福の自己肯定感は、きりつめた年金生活者が貧者の一灯を寄せることによって得られる自己肯定感と同じである。
  人を幸せにする能力にも機会にも格差はなく、すべての人に平等に与えられていると言えよう。だから、最後まで人生における成功に挑み、人生を「空」のままに終わらせず、「実」のあるものとして閉じたいと願っている。
(PHP「ほんとうの時代」2007年1月号掲載)
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2006年6月13日 寄る辺なきいのち
2006年3月15日 自分を信じる
2006年2月22日 今なお夢を追う
2006年2月10日 人智の卑小なるを自覚して
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