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定期連載 朝日中学生ウィークリー
更新日:2006年9月7日
「どうでもいい病」にならないで

  あなたは、自分が好きですか。それとも、自分のことなどどうでもよいと思っていますか。
  これはあなたの人生を決める、もっとも重要な問いだと思います。実は、非行少年たちは、自分のことをどうでもいいと思っています。自分がどうでもいいなら、ましてや他人のことなどどうでもいいわけで、相手に暴力を振るったりいじめたりして相手が困っていても、気にならないわけです。気にならないどころか、その様子を面白がったりしています。

●●生きるエネルギーが切れると
  最近は、学校やご近所からいい子だと思われている子が、突然親にひどい暴力を振るったり、時には殺したりする事件が目立ちますが、そういう子は「もう自分のことなどどうでもいいや」という心境におちいっています。
  もちろん、そう思っている子のすべてが非行少年になるわけではないのですが、そう思っていては、勉強にも人付き合いにも遊びにも、熱が入りません。だらだらとした生き方に傾いていきます。だから「どうでもいい病」はおそろしいのです。
  では、なぜ「どうでもいい病」になるのでしょうか。
  私は、その子の生きるエネルギーが切れた時、その子はこの病気になるように思います。人間は誰でも、楽しく生きたいと願う本能を持っており、そのために頑張るのですが、頑張るための要求が厳しすぎて、身体と心が疲れきり、エネルギーが切れてしまって「もういくら頑張ってもついていけないや」とあきらめ、心が空っぽになってしまった時、この病気が始まるのです。
 
●●つらい時はつらいと言うこと
  その子がエネルギー切れを起こさないように注意するのは、親や教師など大人の責任ですが、子どもの方はどう注意すればよいでしょうか。
  逆説的なようですが、親や教師の言うことを何でもきく、いい子にならないことです。いつも自分の心をみつめていて、つらい時はつらいと親や教師に言うことです。身体がつらい時には休んで医者にかかるように、心がつらい時も休みが必要です。そして、音楽でも読書でもスポーツでも親友とのおしゃべりでも何でもいいのですが、心が元気になる好きなことをしましょう。それがエネルギーを生み出してくれます。
  もう中学生なのだから、自分のことは自分で管理するくらいの心意気を持って、いい人生を作り出してほしいと思います。

(朝日中学生ウイークリー/2006年9月3日掲載)
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