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定期連載 朝日中学生ウィークリー
更新日:2007年11月16日
野球特待生問題、どう考える?

  突然ですが、高校野球の特待生をどう思いますか。
  今年の春、特待生はアマチュア精神に反するとして、試合出場停止などの処分が行われました。それに対して特待生を認めていた高校などからブーイングが出て、大騒ぎになりました。
  問題を絞って言えば、「野球の能力に優れた生徒を、入学金や授業料を免除して入学させることは、学校教育のあり方として認められるか」ということです。

 ○  どんな条件をつければよいのか
  みなさんはどう考えますか。
  世論調査では、認められるという人が多数でした。
  高校教育では、野球に限らず、他のスポーツでも学芸でも、一芸に秀でた人を優遇して育成してもよいと考える人が結構多かったのです。平等よりも、個性を尊重する考え方が一般的になってきたとすれば、いいことだと思います。
  ただ、無条件に特待生を認めるのは問題だという意見が大多数でした。みなさんは、どんな点が問題で、どういう条件を付ける必要があると考えますか。
  「寮費をただにしたり生活費を払ったりして、全国からたくさんの特待生を集めるのは、勝利至上主義になって、特待生も野球さえ上手になればよいという考えになり教育上よくない。全国大会でも不公平になる」という意見がありました。
  そういう問題をなるべくなくすためには、@特待生の恩恵は入学金と授業料の免除だけにするA各学年で採用する特待生の人数を制限するB一般学生と同じ水準の学力を身につけなければ特待生と認めない、という条件を付ける必要があります。
 
  ○  高野連の出す結論あなたは?
「特待生を鼻にかけ、何をしてもよいと思ってしまう」という問題に対しては、「品行方正でなければ特待生と認めない」という条件を付ければよいことになります。
  では、「中学生の硬式野球クラブが、高校と直接交渉して野球のできる子を特待生として認めさせる」という問題については、どういう条件を付ければよいでしょうか。
  私が座長をした高校野球特待生問題有識者会議では、「中学校校長の推薦がなければ特待生と認めない」という条件を付けることにしました。
  野球の特待生の問題については、高野連(日本高等学校野球連盟)が結論を決めますが、その結論がよいかどうか、自分で考えてみて下さい。

(朝日中学生ウイークリー/2007年11月4日掲載)
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