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提言 生き方・その他
更新日:2010年6月2日
90歳で若返り?
 「人間、90歳前後になると、身体の調子がよくなってきて、元気が戻るようですよ」
 「ホントですか!?」私は絶句した。
 教えてくれたのは、韓国慶北大学教授で医学博士の李誠國さんである。東大医学部のドクターコースも出ていて、日本語は達者。彼は、韓国と日本で100歳になった高齢者とその家族たちに数多く面談して、長寿をもたらしたさまざまな要因を探り出そうとしている。
 「100歳になったお年寄りとずっと一緒に暮らしてきた娘さんとか家族の方が何人も話してくれたのですがね、それまでは身体のあちこちが悪くてもうダメかと思っていたのが、90くらいで悪いところがなくなって、若返ったと言うんですね」
 「若返る?」
 「そう。真っ白だった髪が黒くなってきたり、歯がしっかりしてきたり、眼がよく見えるようになったり」
 「歯や眼まで?」
 「頭もしっかりしてきたり」
 「ウソでしょう!韓国のお年寄りだけですか」
 「いや、日本のお年寄りもですよ。日本の先生と共同して調査したんですが」
 「それはすごい情報だから、データをつけて学術論文にして下さいよ」
 「そうします」彼は約束したが、その時からまだ1カ月も経っていないから、論文になるのはかなり先だろう。
 それにしても、希望が持てる話である。考えてみれば、年を取っていく過程で身体の調子はよかったり悪かったりするものだから、李教授の発見が本当としても、一人一人は案外気付かないでいるのかも知れない。
 もしご家族に90前後で若返った方がおられたら、本紙気付で教えてほしい。李教授の素晴らしい発見がどれくらい普遍的なものかをみんなで確かめたいからである。
(京都新聞コラム「暖流」2010年5月23日掲載)
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