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定期連載 朝日中学生ウィークリー
更新日:2006年12月7日
なぜ人間は「いじめ」をするの
  いじめが、大きな社会問題になっています。「朝中」(*注 朝日中学生ウイークリー)は、毎号いじめについてのページを設け、読者の投稿を載せていますが、読むたび、中学生が、しっかりした考えとやさしい心を持っているのに感心させられます。こんなにわかっている子がいるのに、どうしていじめがなくならないのだろうと思ってしまいます。
  実は、大人の社会にもいじめはたくさんあります。
  会社で、上司や仲間にいびられて引きこもりになる会社員もいますし、高齢者の集まりで仲間はずれにされる人もいます。移り住んだ地域で、みんなからシカトされる家族もいます。
 
  ●●自分と違う人を避ける本能
  どうして人間は、そういう意地悪なことをするのでしょうか。
  それは、自分と違う人で、この人とはうまくやっていけないと感じる人を避けようとする本能があるからだと思います。古い感覚の人たちに、外国人というだけで避けようとする人がいるのは、そのためです。
  そして、自分がうまくやっていける人たちだけと、付き合います。それが行き過ぎると、無理に仲間はずれにする人をつくって、その人に対する反感を共有することによって、仲間との共感を高めようとしたりします。そういう排他的な行為をなくすには、みんなが、人を排斥する行為は悪いことだという倫理感を身につけなければなりません。
  しかし、いじめを根本的になくすためには、それだけでなく、自分と違うどんな人でも受け入れ、認める人間に成長することが必要です。
  実は、このことがなかなか難しくて出来ていないので、大人の世界でも、いじめや差別、戦争などがなくならないのです。
 
  ●●認めるには心のゆとり必要
  自分と考え方や能力、行動パターンや身体の特徴などがかなり違う人を受け入れ、認め、一緒にやっていくには、まず、心にゆとりがなくてはなりません。勉強や部活などに追い立てられ、いつもイライラしているのでは、違う他者をつい排除したくなります。
  一方、自分が好きで、生きることが楽しいと、自然に、自分と違う人でも、幸せに生きてほしいと願う気持ちが出てきます。
  障害者やお年寄り、あるいは幼い子どもたちのためにボランティア活動をしてみると、自分と違う人を幸せにする喜びがわかり、そんな自分が好きになるかもしれませんね。
(朝日中学生ウイークリー/2006年12月3日掲載)
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